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まだ小さい子供二人を育てながらFIREを目指しています。

円安を差し引いてポートフォリオのパフォーマンスを評価する方法


NAV(Net Asset Value)を円建てで見ている人が多いと思います。外国に投資している場合、ここ数年のようにUSD/JPYが100円から150円まで上昇したりすると、それだけで円のNAVが50%増えます。実際には月ごとに125円になったり140円になったりと上下しますが。このような時期に、円安で履いている下駄を取って実際のポートフォリオのパフォーマンスはどうだったのかを見る方法を考えてみたいと思います。円安のときは調子に乗らないように、円高のときは必要以上に落ちこまないように、考え方を整理しておきましょう。

余談ですが、資産の多くに為替ヘッジタイプの投資信託保有している人はこの限りではありません。

現地通貨でNAVを追跡する

お持ちの口座が米ドルなどの現地通貨でのポートフォリオパフォーマンスレポートを出してくれるのであれば、これが一番簡単です。ただし、通常は複数の口座をお持ちでしょうから、世帯単位での総資産の評価には不十分かもしれません。

定点観測:同じレートの日のNAVを比較する

私は毎月月末に全口座の終値を集計して世帯の資産のNAVの総計を計算して記録しています。同時にその時のUSD/JPYレートも横に記載しています。例えば、2022年10月31日と2024年1月31日はレートが147.5円でほぼ同じ値です。ですので為替変動要素無く1年3ヶ月での資産の増減割合が評価出来ます。欠点は同じレートの日は運次第なので、期間を自分で選べないことです。スポットチェックに向いています。

補正:NAVをレートで補正する

まずは基準となるUSD/JPYレートを選びます。これは過去どれぐらいの期間遡るかを決めて、その平均値を使うなどすると良いと思います。仮に110円としましょう。1月31日のレートが147.5円でしたから、NAVに110/147.5を掛けて補正します。NAVが14,750,000円だった場合、円安の影響を補正した評価額は11,000,000円という計算になります。全てがUSDではないので正確な計算ではないですが、十分参考になると思います。実際にこの方法で補正するとドル建てのS&P500ほぼキレイ重なりました。円安でFIRE出来る気になっていた私の気を引き締めてくれましたね。

以上の2つの方法を私は試しています。

この2年で大幅に円安になった今、早まったFIREをしないよう、円安で履いた下駄を無くして冷静に評価してみてください。

参考までに、このような補正がどのような効果があるかを可視化してみました。

チャートは2023年の動きですが、青線はJPYベースのNAVをそのままプロット。緑線はNAVを各月のレートで補正した値、橙色線はS&P500連動ファンドVFINXの動きをUSDのままプロット(円のNAVに重なるようスケールだけ調整しています)しました。

ぱっと見て明らかだと思いますが、青線を見て円安で円建てのNAVが増えたのを見ると有頂天になりますが、為替補正をしたNAVを緑線で見ると実際は全く違う現実が目の当たりになります。さらに、緑線はUSDベースのS&P500とほぼ同じ動きをしていますから、説得力がありますね。従って円安の下駄を外した実際の実力は緑線ということです。