mynextlifeのブログ

まだ小さい子供二人を育てながらFIREを目指しています。

為替ヘッジありの東証ETF S&P500で円高に備える

為替ヘッジありの投資信託ETF金利差の分だけヘッジコストが掛かるため、為替ヘッジ分だけ現地通貨よりパフォーマンスが落ちることが知られています。ですので通常は為替ヘッジ無しの商品を購入しますが、昨今の記録的な円安で、1米ドル150円くらいで頭打ちかな、と個人的には予想しています。後はいつ円高方向に振れるかの問題ではないか、と。このような状況では、一部を為替ヘッジありにしておいても良いのかな、と感じています。例えば東証ETFiShares S&P 500米国株ETF(為替ヘッジあり)です。

www.blackrock.com

目的と利点に関しては、以下の2つを念頭に置いています。

  1. 円高に戻した時に、資産の減少を緩和する。
  2. 円高に振れた時に、為替の影響で値下がりするヘッジ無しではなく、ヘッジありの方を売却して生活費に充てる事で、円高時のヘッジ無しポジションの減少を防ぐ。
  3. FIREでイールドシールドを用いる場合、配当金の無い投資信託よりも配当金が現金で振り込まれるETFの方がイールドとして金額を計算に入れやすいですし、売却額も減ります。(イールドは1%なので、4%ルールには遠く及ばない)

円高のピークのタイミングを読んでのヘッジありの購入となりますから、税金等の面で非効率な面もあるのですが、記録的な円安の今、ヘッジ無しを少し売却してヘッジ有りに少し入れ替えるのも有りかな、と考えています。円高に振れて1ドル120円以下に戻ってきて安定したら今度はヘッジありを売却してヘッジ無しに入れ戻してもいいかと思います。ただあまり売買するのは非効率なので、あまりしたくはありませんが。

尚、米国との二重課税に関しては、二重課税調整制度により自動的に調整されるので、別途外国税額控除を確定申告で行う必要はなさそうです。

www.jpx.co.jp

金額的には1〜2年分の生活費くらいが妥当かな、とも思いますが、いきなりそこまで大きく変えるのも抵抗があるので、少しだけやってみて様子を見ようと思います。

 

www.bk.mufg.jp

froggy.smbcnikko.co.jp

toyokeizai.net

マネックス証券とゼロクーポン債

マネックス証券創業者の松本大氏は↓の記事にもある通り、米国債ゼロクーポン債ポートフォリオの一部に組み込むことに言及していますが、実際にマネックス証券米国債ゼロクーポン債の購入は非常にし難いです。

media.monex.co.jp

そもそも取り扱っている種類が4種類しかありませんでした。IB証券では数えきれないくらいありましたから、驚愕しています。しかも、現状申し込み出来るものは無いようですね。

マネックス証券、外国債券の一覧から

IB証券では株式の注文と同様に指値で注文できますが、実際に約定するまでは結構時間が掛かることもありました。私がマーケットデータにお金を払っていないので、リアルタイムに正確な値段が分からないからかもしれませんが、指値より低い値段になっても約定しなかったりということもありましたね。

それにして、米国株、米国のETF米国債の取引は、つくづくインタラクティブ・ブローカーズ証券でないと使い物にならないな、と実感しました。

 

IB証券ではゼロクーポン債も自由に選べます。↓はほんの一部を抜粋。

 

マネックス証券で米国株取引はイケてない

日本のオンライン証券の草分け、マネックス証券で初めて米国株を購入してみた。日本の証券会社を使って米国株を購入するのは初めての経験なので、個人的な感想を記してみたいと思います。

資金振替が遅い

お金の流れはざっくり以下のようになります。全て完了するのに2営業日くらいかかりました。

銀行口座→証券総合取引口座→管理サイトへ振替→日本円から米ドルに振替→Trade Stationの取引可能額に反映

IB証券の場合はもっと単純で、1〜2時間で反映されます。

銀行口座→IB証券口座の取引可能残高に反映→SGDからUSDに変換

取引手数料が高い

MSFTを数百万単位で購入したのですが、手数料が$22もしました。10万円程度の追加購入でもマネックスは$5も手数料取るんですね。

IB証券では数百万単位の株式の売買を何度も行っていますが、手数料ほとんどの場合$1で、$2を超えた事が一度もありません。ゼロクーポン債を購入するのに取引手数料が$5で高いと感じていましたから、正直マネックス証券の手数料の高さに大きく失望しました。

円換算評価額反映が遅い

証券総合取引口座には投資信託、現金、外国株全ての商品を合計した資産総額を円換算で表示してくれるのですが、外国株の評価額の反映が遅いです。月曜日の時点で前週金曜早朝(米木曜市場閉場時の価額)のままなので、正直まどろっこしいです。

Trade Stationを立ち上げるとリアルタイムの価額が反映されていますが、USDのみの表示なので、円換算は出ませんし、投資信託等との合算も出ません。

IB証券は特定口座が無いので確定申告が必要なこと、新NISAなど非対応、5千万円以上の場合は国外財産調書などを考慮した上でも、新NISAやイデコに収まらない余剰資金はIB証券で運用した方が有利だと思いました。正直マネックス証券で高い手数料を献上して米国株を取引する理由は無いと思います。

確定申告も、慣れるとすぐに終わります。IB証券には過去の取引データをクエリしてCSVファイルにエクスポート出来ます。取引日のUSD/JPYも付けられるので、円換算での集計も簡単です。

残念ながら国境を超えた株式の移管は不可能ですので、売却せずに日本の証券口座から米国の証券口座に運用資産を移すことは出来ませんが、株式の取引手数料が$5を超えるような方やこれから米国株やヴァンガードETF米国債の取引を始めたい、なんて人は米国のインタラクティブ・ブローカーズ証券を考えてみてはいかがでしょうか?IB証券から日本の銀行口座への現金の引き出しも手数料無料ですよ。

関係無いですが、シンガポールローカルの証券会社も日本と同様にかなり不便、手数料高い、でイマイチでした。唯一IB証券より有利だったのはSGXでのシンガポール株式の売買手数料くらいでした。

FIREシミュレーション

55歳だとFIREというほどEarlyではなくて、ただの早期退職と変わらない感じです。ですので4%ルールで資産を保全しながら暮らさなくても、少しずつ資産を切り崩しながら暮らす想定でも良いのではないかと考えるようになりました。残しても相続税で取られる分が増えるだけですからね。

取り崩し前提でFIRE可能かをシミュレーションしてみました。

仮定条件:

  1. USD/JPY=110円(現在の資産を110/150)
  2. 国内インフレ=1.5%(年間支出を毎年1.015倍)
  3. 子供二人は22歳で飲食教育費がゼロ
  4. 80歳で住宅ローン返済完了
  5. キャッシュクッションのイールドは1%
  6. イールドシールドはキャッシュクッションのイールドと株式の配当金
  7. 投資金額のリターンは年6%(S&P500の50年間平均リターンが9.9%から見積り)
  8. 投資金額リターンの利益率は40%で、税率20%として税引き後のゲインは額面の92%
  9. NISA/idecoの免税は考慮に入れない。
  10. 公的年金は70歳から税引き後手取り年50万円

以上の仮定で、55歳時点での総資産額を2億4千万円と仮定します。少しずつ取り崩しながら94歳までどのように総資産残高が推移するか計算してみます。

年間引き下ろし額=投資金額リターン + イールドシールド - 年間支出x1.015

この式を94歳まで各年に適用しすると、94歳時点で5千万円以上残る計算になります。キャッシュクッションとマンションは手つかずで残せます。

年間リターン6%の場合

ここで恐ろしいのが、投資金額のゲイン率を年6%から5%に変更すると。。。。

年間リターン5%の場合

84歳から投資のリターンとイールドシールドだけでは支出を賄えなくなり、キャッシュクッションの取り崩しが始まります。そして89歳で破産です(笑)。ただし、マンションを売却する分は考慮に入れてないので、80歳頃にマンション売却で夫婦の介護施設費用&生活費が賄えるかな、と思いますが)
さて、想定リターンを1%下げるだけでこれだけ40年後に差が出てしまうので、もう少し余裕をもってリタイアしたいところです。資産が減っていく恐怖はまだ実感がありませんが、老後そのような状態は避けたいところです。ただし、あまりに保守的な想定でいくとリタイアする時期がどんどん遅れて、最後のお金が余り過ぎてしまっても困るので、どの辺りでバランスを取るかのさじ加減が難しいところです。

リターンに関しては、2年半前に日本に帰国するに伴い共働きを止めたばかりで十分なデータが無いため、投資の大部分を占めるS&P500で仮定せざるを得ません。

尚、55歳での総資産が2億4千万円ではなく2億6千万円あれば、94歳で3800万円残る計算になります。少しの違いで破産するかしないか大きな違いが出るので驚きです。

ここの辺りは今後の株式市場のリターンも踏まえながら考え続けたいと思います。

キャッシュクッションとイールドシールドの解説はこの記事で。

mynextlife.hatenablog.com

ポートフォリオのバックテスト

もしも過去にポートフォリオを組んでいたらどのようなパフォーマンスだったかを過去のデータでシミュレートすることをバックテストと呼びます。Portfolio Visualizerのようなツールで簡単に出来ます。私にとってのバックテストの意味は、暴落時にどれだけ耐えられるか、を過去の暴落で見ることです。

https://www.portfoliovisualizer.com/backtest-portfolio#analysisResults

例えば、↓のようなポートフォリオを組んだとしましょう。

リーマンショックの直前に運用を開始したと仮定すると、以下のようなパフォーマンスになります。リーマンショック時にS&P500は4割近く下落しましたが、ポートフォリオの方は1割程度の下落で済んでいます。逆に大きな伸びもありませんから、ボラティリティが低く抑えられたポートフォリオといえるのではないでしょうか。

どれだけ増えたかに関しては、時代にも依存すると思いますし、あまり参考にはしていませんが、暴落時の暴落率を抑えるためのディフェンシブなポートフォリオにするための参考にしています。

あなたのポートフォリオのパフォーマンスはいかがでしょうか?

 

円安を差し引いてポートフォリオのパフォーマンスを評価する方法


NAV(Net Asset Value)を円建てで見ている人が多いと思います。外国に投資している場合、ここ数年のようにUSD/JPYが100円から150円まで上昇したりすると、それだけで円のNAVが50%増えます。実際には月ごとに125円になったり140円になったりと上下しますが。このような時期に、円安で履いている下駄を取って実際のポートフォリオのパフォーマンスはどうだったのかを見る方法を考えてみたいと思います。円安のときは調子に乗らないように、円高のときは必要以上に落ちこまないように、考え方を整理しておきましょう。

余談ですが、資産の多くに為替ヘッジタイプの投資信託保有している人はこの限りではありません。

現地通貨でNAVを追跡する

お持ちの口座が米ドルなどの現地通貨でのポートフォリオパフォーマンスレポートを出してくれるのであれば、これが一番簡単です。ただし、通常は複数の口座をお持ちでしょうから、世帯単位での総資産の評価には不十分かもしれません。

定点観測:同じレートの日のNAVを比較する

私は毎月月末に全口座の終値を集計して世帯の資産のNAVの総計を計算して記録しています。同時にその時のUSD/JPYレートも横に記載しています。例えば、2022年10月31日と2024年1月31日はレートが147.5円でほぼ同じ値です。ですので為替変動要素無く1年3ヶ月での資産の増減割合が評価出来ます。欠点は同じレートの日は運次第なので、期間を自分で選べないことです。スポットチェックに向いています。

補正:NAVをレートで補正する

まずは基準となるUSD/JPYレートを選びます。これは過去どれぐらいの期間遡るかを決めて、その平均値を使うなどすると良いと思います。仮に110円としましょう。1月31日のレートが147.5円でしたから、NAVに110/147.5を掛けて補正します。NAVが14,750,000円だった場合、円安の影響を補正した評価額は11,000,000円という計算になります。全てがUSDではないので正確な計算ではないですが、十分参考になると思います。実際にこの方法で補正するとドル建てのS&P500ほぼキレイ重なりました。円安でFIRE出来る気になっていた私の気を引き締めてくれましたね。

以上の2つの方法を私は試しています。

この2年で大幅に円安になった今、早まったFIREをしないよう、円安で履いた下駄を無くして冷静に評価してみてください。

参考までに、このような補正がどのような効果があるかを可視化してみました。

チャートは2023年の動きですが、青線はJPYベースのNAVをそのままプロット。緑線はNAVを各月のレートで補正した値、橙色線はS&P500連動ファンドVFINXの動きをUSDのままプロット(円のNAVに重なるようスケールだけ調整しています)しました。

ぱっと見て明らかだと思いますが、青線を見て円安で円建てのNAVが増えたのを見ると有頂天になりますが、為替補正をしたNAVを緑線で見ると実際は全く違う現実が目の当たりになります。さらに、緑線はUSDベースのS&P500とほぼ同じ動きをしていますから、説得力がありますね。従って円安の下駄を外した実際の実力は緑線ということです。

キャッシュクッションとイールドシールド

以前も紹介した書籍ですが、本書の興味深いところは暴落時の備え方が具体的に説明されているところです。本書ではCash CushionとYield Shieldという2つの考え方を組み合わせています。それぞれ見ていきましょう。

Cash Cushion

ITバブルやリーマンショックなど株式市場が3分の1〜半分にまで暴落することを想定しており、実際に市場が元の値段に回復するまでには最長5年掛かると過去の実績から想定しています。この間、4%ルールに従い生活費のために低い値段で運用中のETF投資信託などを売却すると、ポジションが大幅に下がってしまい、市場が回復した時の総資産が思うようには増えません。暴落してから回復するまでの間、ポジションを売らずに5年間生活出来るだけの現金をMMFなどで別に置いておいて暴落時に使用することをキャッシュクッションと呼びます。

Yield Shield

しかしながら、生活費5年分というのは結構な額です。例えば、2億円で毎年700万円で生活している場合、5年分は3500万円です。こんな大きな額を運用せずに置いておくのはもったいない気がしますよね。そこで、現金で置いておく額を減らすために、暴落時でも受け取れる配当金や利子などを差し引く事をYield Shieldと本書では読んでいます。先の例ですと、運用額2億円の配当金・利子(Yield)が税引き後2.5%だったとすると、毎年500万円の利回りになります。5年間で2500万円です。キャッシュクッションからイールドシールドを差し引くと3500万円ー2500万円=1000万円となり、1000万円を用意するれば良いことになります。

我が家の場合、分配金の無い投資信託で運用している額が大きいため、運用資産のイールドは1%を切っています。ですのでイールドシールドが非常に小さいです。代替案として、シンガポール国債・貯蓄債、米国債などを暴落時に売却すると想定して5年分の生活費を株式アセットクラスを売却せずに捻出出来るように計画していれば大丈夫かなと今は考えています。