mynextlifeのブログ

まだ小さい子供二人を育てながらFIREを目指しています。

「日本人技術者の給料がアメリカにボロ負けする訳」野口悠紀雄、東洋経済を読んで

アマゾンUSが基本給の上限を4000万円に引き上げるニュースが2月11日に日本でも報道されました。私も母に日本の凋落を印象つけるべくニュースのリンクを送ったりしてましたが、野口悠紀雄氏が東洋経済オンラインに寄稿していたのを見つけたので紹介します。

toyokeizai.net

さて、野口悠紀雄氏の記事は相変わらずアメリカのトップ中のトップと日本全国平均を比較して悲観するという構造になっています。アメリカののアマゾンと比較するならアマゾンの日本支社と比較するべきでしょう。(アマゾンは日本に比較的大規模なエンジニアリングチームが昔からあります)もしくはアメリカの全国平均と日本の全国平均を比較するべきでしょう。それでもアメリカは日本の2倍くらいあるはずです。この野口氏の手法には辟易としますね。

ただ、アメリカにボロ負けしていて、もはやアメリカと比較することすら意味が無いのではないかと思うくらい差がついていることは確かです。

さて、基本給4000万円はあくまでも上限であり、全員がその水準ではありません。私がシンガポールで勤めていた米系投資銀行でもソフトウェアエンジニアで基本給4000万円くらいの人が集まっているチームはありましたが、その他大勢はマネジャーレベルでも基本給は年900万円〜1800万円くらいがレンジでした。

Glassdoorという世界的な雇用主の口コミサービスで米Amazonのエンジニアの給料を見てみましょう。タイトルにI, II, IIIのレベル表記があったりなかったりとまばらですが、一番上の”Software Engineer”というのが新卒からトップクラスまでの全部を網羅しているようです。口コミも2,881件と最多です。2行目のインターンでも月に100万円以上もらえるようですね。ちなみに日本拠点の情報は3件程度しか口コミが無く、あまり参考になりません。

f:id:mynextlife:20220223093943p:plain

Glassdoorより引用

Software Engineerは経験年数でフィルターすることが出来ます。

f:id:mynextlife:20220223094616p:plain

Glassdoorより引用

新卒1年目でフィルターしてみましょう。平均初任給はベース1400万円弱、ボーナスが300万円強といった感じでしょうか。

f:id:mynextlife:20220223094816p:plain

Glassdoorより引用


続いて中堅の経験7−9年目。平均ベースが1800万円強、ボーナスが400万円くらい。最低で800万円、最高で3000万円と分布が見て取れます。

f:id:mynextlife:20220223095101p:plain

Glassdoorより引用

Glassdoorは口コミ投稿情報ですので、情報の正確性や信頼性は担保されていませんが、少なくともシンガポールで採用活動をしていた時にGlassdoorのシンガポールの情報も参照していましたが、比較的正確だと思います。

GAFAやSlackなどのテック企業のエンジニアの実際の給料水準はこんな感じで、実際2016年頃には金融機関IT部門の水準を超えました。NYの金融機関も新卒の年収を1200万円に上げて対抗したこともニュースになってましたね。もちろん物価も日本の倍以上なので実際どの程度貯蓄できるかは疑問ですが、額面の年収を上げておくと日本で再就職するときにも高めの年収の職を探せます。若いうちにアメリカやイギリス、シンガポールなどテック企業の拠点のある国で高い収入を求めて出稼ぎに行くことにもっと若いエンジニアの卵に興味を持って欲しいです。負け組の「安い国」日本に住むのは外で稼いで引退した後でもいいと思いますよ。